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食品添加物の基礎知識 「殺菌料」とは?

食品添加物とは?

食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または加工・保存の目的で使用されるものです。
食品衛生法(第4条第2項)では、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義されています。
また、食品衛生法で言う食品とは、医薬品及び医薬部外品を除くすべての飲食物のことです。

食品添加物

食品添加物:殺菌料とは?

食品添加物:殺菌料(さっきんりょう)とは、食品添加物のうち、食品に付着していて洗い流しきれない食中毒原因微生物を殺菌または除去し、食中毒の防止・抑制を目的として使用される食品添加物のことです。
尚、食品添加物殺菌料を食品に使用する場合は、一般的に加工助剤としても分類されます。これらは、最終食品の完成前に分解、又は除去しなければならないため、食品表示などから、目につくことはありません。

食品添加物として使用が認められている殺菌料と使用基準

食品衛生法から見る「食品」に対して使えるもの

食品衛生法上では、健康の保護と食品衛生のリスクを防ぐために、飲食物(食品、食品添加物)と食器・調理器具・容器・包材に衛生の規格基準を設け、基準に合わないものの使用を禁止しています。

また、先述の食品の定義から、食品には食品及び食品添加物以外のものを加えることは禁止されています。以上のことから、食品の衛生維持に使用されるエタノール製剤や次亜塩素酸ナトリウム等は、食品添加物として認められた製品である必要があります。

その一方で、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」では、人体(手指など)を殺菌消毒する目的で医薬品、医薬部外品、指定医薬部外品以外の製品(雑貨品や食品添加物など)を使用することを認めていません。 よって、食品添加物殺菌料は人体(手指など)に使う事は認められていません。

加工食品製造現場および提供場所における作業者の手指の殺菌消毒の実態

しかし、昨今の食中毒患者の半数を占めるノロウイルスは、ノンエンベロープウイルスと呼ばれる、細胞由来の脂質膜を持たずカプシドで構成されるウイルスであり、脂質膜を持たないため、一般的にはエタノールによる不活化効果は期待できない※、とされています。
またノロウイルスの特徴として少量のウイルス数で発症する、と言われており、少量で発症するがゆえに、手指に付着した程度のウイルス汚染からヒトーヒト感染を起こし、これが連鎖を起こし、最終的に原料や食品を汚染してしまい食中毒の原因となります。

「ノロウイルス食中毒対策を念頭に置くと、手指の殺菌消毒に医薬品のエタノールだけでは対応しきれないという実態」があるのです。
さらに、食品を製造する現場環境下での医薬品・医薬部外品の使用は食品への混入リスクの懸念から、敬遠されることもあり得ます。

以上のような背景から、実際の食品等事業者の現場では、ノロウイルス食中毒対策として食品添加物の塩素系殺菌料や、食品への混入・誤用リスクを回避するために食品添加物のエタノール製剤による手指の殺菌消毒が行われています。
これは違法ではないのか?答えは違います。
しかし、厚生労働省は、「食中毒の防止・抑制を目的として、調理従事者並びに提供者が食中毒由来原因菌に有効な食品添加物殺菌料を手指の殺菌に使用する事は施設の管理者及び食品衛生の管理者の判断に委ねられており違法ではない。」としています。

注)ただし、あくまでも「食中毒の防止・抑制を目的とした食品加工現場や食品が提供される場所に限定」ということにはご留意ください。

※「平成27年度 ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書」 国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000125854.pdf