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亜塩素酸水がわかる3つのポイント

開発の経緯

三慶グループでは、長年、塩素酸化物及び、その製剤類の開発を手がけていくなかで、「亜塩素酸(HClO2)」という物質の存在に着眼しました。
この「亜塩素酸(HClO2)」は、細菌類や、真菌類に対して強い殺菌効果を有しており、ひいては、ウイルス類の不活化効果がみられるということが分かり、この「亜塩素酸(HClO2)」を主たる有効成分とする新たな食品添加物を開発すれば、あらゆる加工食品類の原材料の殺菌剤として幅広く利用していただくことが出来るようになるのではないかと考えました。

そこで、弊社では、この「亜塩素酸(HClO2)」を手軽にかつ簡単に使用していただくことができる製品の実用化に向けて、鋭意研究を重ねた結果、サイクル反応を維持させる技術を見つけ出しました。
そして、「亜塩素酸(HClO2)」を主たる有効成分とする新たな食品添加物として「亜塩素酸水」という製品を開発し、ついには工業的生産が出来るようになるまでになりました。

①亜塩素酸水の特長的な化学機構

製 法

「亜塩素酸水」は、“日本薬局方 塩化ナトリウム”と同じ不純物を含まない塩を溶かした水溶液に塩酸を加え、酸性条件下で、無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液または塩素酸塩に、硫酸を加えて強酸性とし、これによって、生成されてくる塩素酸に過酸化水素水を加えて還元反応させることによって得られる亜塩素酸(HClO₂)を水溶液中にスタビライズ(安定化)させることで形作られている分子型の殺菌料になります。

A式:NaCl+3H₂O+6e-→NaClO₃+3H₂↑
B式:2NaClO₃+H₂SO₄→2HClO₃+Na₂SO₄↓
C式:2HClO₃+H₂O₂→2ClO₂+2H₂O+O₂↑
D式:2ClO₂+H₂O₂→2HClO₂+O₂↑

亜塩素酸 HClO2

サイクル反応による安定性

亜塩素酸水の主たる有効成分である亜塩素酸(HClO₂)は、水溶液中では、解離状態の亜塩素酸(H+・ClO₂-)と平衡関係を維持していると言われており、又、この亜塩素酸(HClO₂)の活性分子種は、塩素過酸化ラジカル(ClOO・)であるということが、最近の研究によって分かり、この塩素過酸化ラジカル(ClOO・)は、ガス化物である二酸化塩素(ClO₂)よりも、熱力学的に(274KJ/mol)と低く、水溶液中に長く存在するということも分かっています。しかも、これだけ大きなエネルギーの差が認められ、活性分子種の構造も大きく異なる以上、二酸化塩素(ClO₂)と、亜塩素酸水は、全く違う活性分子種を持つ別の物質であると言わざるを得ません。

しかも、この塩素過酸化ラジカル(ClOO・)は、水溶液中では、常に水分子と相互作用を引き起こすため、より熱力学的に長寿命のラジカルとして、その存在が確認されており、その上、このラジカルは、水溶液中の電子を受け取ることによって、解離状態の亜塩素酸(H+・ClO₂-)に変換されるのだと考えられており、その一連の流れのことをサイクル反応と呼んでいます。 尚、Acidified Sodium Chlorite solutionsによりますと、亜塩素酸(HClO₂)が、これほどまでに長期間、水溶液中で維持させることに成功できた理由は、このサイクル反応の存在こそが、その要因の一つとして挙げられることに間違いはなく、いずれにしましても、活性力を保持したまま、流通できるようになったことによって、使用時に調整する必要もなく、使用したい人が、使用したい時に、使用されたい場所で、亜塩素酸(HClO₂)を取り扱うことができるようになりました。

Fig. 亜塩素酸水のサイクル反応図(イメージ)
Fig.「亜塩素酸水」の双瘤のピークと持続性(10℃保存)

尚、亜塩素酸(HClO₂)の存在は、分光光度計で計測しますと、亜塩素酸イオン(ClO₂-)が現れてくるピークと一般的に考えられている254nm付近の極大吸収部と、塩素過酸化ラジカル(ClOO・)が現れてくる365nm付近の極大吸収部の両方に見られます。 これは、殺菌効果に直接関与しているラジカルを、254nm付近の極大吸収部が指し示す成分、すなわち、亜塩素酸(H++ClO₂-⇔HClO₂(+H₂O))が、サイクル反応を介して遊離基を供給し続けることによって、亜塩素酸水が持つ独特、かつ、特長的な持続力を持つ殺菌効果を、発揮させることを可能にしており、この両方にピーク(極大吸収部)を持つ状態、すなわち、“双瘤のピーク”を持つものこそが「亜塩素酸水」であると言えます。

②亜塩素酸水の物性について

亜塩素酸水の物性の特長

亜塩素酸が主たる有効成分である「亜塩素酸水」は、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウムとは違い、高い反応性は無く、しかも、“瞬時”に発揮されるような、効果(即効性)は持ち合わせていません。しかしながら、ゆるやかな反応性に富み、選択力の高い効力と、長く持続することができるという特長をあわせ持つ「亜塩素酸水」は、これまでの塩素酸化物系の薬剤が最も苦手としてきた、有機物が多く存在する汚れた環境下でも“ゆっくりと、かつ、持続的”に、その効果(遅効性)を発揮することが出来ます。

そのため、これまで殺菌しにくく困難を要してきた耐性菌(芽胞を形成することで抵抗力が高まる耐熱性菌や抗生物質が効かなくなった薬剤耐性菌)、カビや酵母などの真菌類、さらにはウイルス類(ノンエンベローブウイルス含む)の不活化効果を、実際の現場でも期待していただくことができます。

尚、この「亜塩素酸水」は、使用時に調整する必要がなく、その上、専用の発生装置(機材)を必要としないため、誰もが使用したい時に使用したい場所に持ち運んで使用していただくことができるという点が、他の電解水と最も違う点であります。

<次亜塩素酸ナトリウム>

殺菌する際に消費される有効塩素濃度と酸化力(遊離塩素濃度)が比例するため、除菌・殺菌の力は有効塩素濃度を調べることでわかります。

<亜塩素酸水>

対して亜塩素酸水は、殺菌で消費される有効塩素の量【(含量:HClO₂=68.46)として】と酸化力【遊離塩素濃度(Cl=35.45として)】が比例しません。そのため除菌・殺菌の力を測定する際は酸化力遊離塩素濃度を測定する必要があります。

③亜塩素酸水の性質と特長と機能について

塩を電気分解して得られる電解水は酸性の(弱酸性、微酸性)電解水≒次亜塩素酸水とアルカリの電解水があり、あくまでも、電気分解装置に掛けた直後の水溶液の事であり、そのpH域によって、その分子活性種(※注釈1)も大きく異なる事が、近年の研究によってわかっています。

その内容とは、アルカリ側では塩素ラジカル(ClO・)、酸性側ではヒドロキシラジカル(HO・)と過酸化水素が、殺菌効果を発揮する分子活性種であり、それに対して、亜塩素酸水は、次亜塩素酸水とは異なり、水溶液のpHによって分子活性種が変わることは無く、塩素ラジカル(ClO・)や、ヒドロキシラジカル(HO・)とも違う、塩素過酸化ラジカル(ClOO・)が、その分子活性種であり、次亜塩素酸水とは全く異なるラジカルを持つことがわかっています。

なお、次亜塩素酸水における分子活性種は、いずれもポテンシャルエネルギー(※注釈2)が-8.8eV と高く、対象物中の脂質膜や糖質、タンパク質、核酸等を酸化させる能力が高く、すべての生体成分(分子や原子)に対して電子を受け渡す(酸化・還元する)ため、非常に早くかつ強力に殺菌効果を発揮します。

しかし、亜塩素酸水における分子活性種の場合は、ポテンシャルエネルギー(※注釈2)が-11.0eV と低く、次亜塩素酸水の分子活性種程の即効性はないものの、長寿命であり、そのことが却って持続性の高い、優れた殺菌効果を発揮するにも関わらず、すべての生体成分(分子や原子)に対して電子を受け渡すことなく、選択的に脂質膜や特定のアミノ酸(主に含硫アミノ酸)に影響を与えるため、選択的かつ持続的に殺菌効果を発揮します。それが故に有機物が存在していたとしても殺菌力が失われることなく、その反応の持続性は1000倍以上です。そのため、汚れた所や汚れが多い場所(有機物存在下)でも、しっかりとじっくり効果をあらわすことが出来るというわけです。

又、長寿命で遅効性であるが故に、他の電解水とは異なり、どこにでも持ち運んで使用していただけることは、亜塩素酸水にだけが出来る唯一の特長的な機能の一つでもあります。

※注釈1 酸化反応における、反応性に富み、自身が安定酸化物となるために機能する分子のこと。フリーラジカル(遊離基)ともいう。

※注釈2 位置エネルギーのこと。物体がある位置(『高さ』など)にある事で物体に蓄えられるエネルギーのこと。ある位置にある事で仕事をしうる能力を潜在的に持つことからこの潜在能力をポテンシャルエネルギーと呼称している。

ラジカルとは?

不対電子を持つ分子又は原子の事

物質の最小構成素は原子、物質の化学特性を失わずに分割出来る最小構成素は分子。原子の中心には原子核、原子核の周囲には電子が2つずつ対をなし一定軌道で収容されていますが、一番外側の軌道に1個の電子しか収容されていない場合があり、これを不対電子と呼びます。このような不対電子を持つ原子や分子のことをフリーラジカルと言い、もともと電子は対になって安定する為、フリーラジカルは反応性が強く、他の分子や原子から電子を1個奪う(酸化する)もしくは電子を1個与える(還元される)事で安定しようとします。

近年、亜塩素酸水の主たる有効成分である亜塩素酸と言う分子も、その活性化された分子種として、塩素過酸化ラジカル(ClOO・)と言うラジカルを持つと言うことがわかり、この塩素過酸化ラジカル(ClOO・)は、長寿命のラジカルであるが故に、遅効性を示し、ゆっくりとじわじわそれでいてしっかりとした選択的な酸化力を持ち、又、特定種のアミノ酸にしか反応せず、選択性を持った反応を示すため、有機物存在下でも効果的であると明らかになっています。