01はじめに
高度サラシ粉の主たる有効成分は、次亜塩素酸カルシウム[Ca(OCl)2]や、ヒドロキシ次亜塩素酸カルシウム[(Ca(OCl)2)・2Ca(OH)2もしくは、(Ca(OCl)2)・Ca(OH)2]の2種類とされておりますが、そもそも高度サラシ粉は次亜塩素酸塩及びその他の塩類の混合物である事から、単一化学品名ではなく、高度サラシ粉と言う混合物(複数の成分を含む物)として食品添加物の指定を受けております。
その為、混合物である高度サラシ粉の濃度の測り方は、ヨウ素還元適法に基づき酸性条件下で次亜塩素酸塩及び塩素酸化物を、塩素:Cl化(ラジカル化)し、この酸化力を用いてヨウ化カリウム(KI)をヨウ素(I2)に酸化し、得られたヨウ素(I2)をチオ硫酸ナトリウム液で還元することによって、『含量 有効塩素(Cl=35.45として)』として算出しています。
① 高度サラシ粉 → 2 Cl(ラジカル化)+2 KI → I2 + 2 KCl
(酸性条件下)
② I2 + 2Na2S2O3 → 2Na2S4O6 + 2NaI
02『含量 有効塩素(Cl=35.45として)』(ヨウ素還元滴定法に基づく)の測り方
食品添加物公定書 第9版 高度サラシ粉の定量方法に準拠し、酢酸溶液で酸性条件下に調整した後、過剰量のヨウ化カリウム(KI)を加えて、酸化させることによって得られるヨウ素(I2)の量を0.1 mol / L チオ硫酸ナトリウム液で滴定することにより、塩素の総量(TC:総塩素量)を求め、これに塩素:Clの原子量35.45を乗じた値を、<含量 有効塩素(Cl=35.45として)>として算出します。
含量 有効塩素(Cl=35.45として)(%)= 35.45×10-3 × 0.1 × V × f / W × 100 × k
V:0.1 mol / L チオ硫酸ナトリウム液の滴定量(mL)
f :0.1 mol / L チオ硫酸ナトリウム液のファクター
W:試料溶液の重量(g)
k:希釈倍率
0.1 mol / L チオ硫酸ナトリウム液1 mL = 35.45 mg Cl