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平成25年度第40回日本防菌防黴学会(SAAAJ)年次大会講演要旨


11Aa-02

亜塩素酸水の殺菌効果について

○堀内功典12、川田宏之2、合田学剛2、鈴木基生1、小山一3、辻本和子3、桑原知己1
(1香川大・医・微生物、2本部三慶㈱、3和歌山信愛女子短大)

[背景]
次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤は食品衛生や環境衛生の目的で広く使用されている。多くの塩素系殺菌剤は安定性を維持する為にアルカリ性域に調整されており、強酸性域に調整することで化学的に不安定な状態となり、殺菌効果の減少だけではなく、二酸化塩素ガスや塩素ガスが発生し、使用者の人体に対して悪影響を与える。また、次亜塩素酸水やASC(酸性化亜塩素酸ナトリウム)等の強酸性域に調整する塩素系殺菌剤は使用時に調整する必要があり、2剤を調整するという手間や、高価な製造装置が必要となる。
[開発経緯]
演者等はこれら塩素系殺菌剤の諸問題を解決する為、弱酸性域から中性域で安定させた新規塩素系殺菌剤の開発を試みた。その結果殺菌効果の成分である亜塩素酸(HClO2)を亜塩素酸イオン(ClO2-)と二酸化塩素(ClO2)のサイクル反応を利用することで、安定させることに成功した。そこで、本研究ではこの亜塩素酸(HClO2)を有効成分とする殺菌剤(以下、亜塩素酸水)の諸性質について検討した。
[結果]
亜塩素酸水中の亜塩素酸の存在は、亜塩素酸イオン(ClO2-)の吸収波長260nmと二酸化塩素(ClO2)の吸収波長360nmに両ピークがあることを吸光度計を用いて確認した。尚、この両ピーク(双瘤のピーク)は、10℃で60日間維持しており、この期間の溶液の大腸菌に対する殺菌効果(106 CFUを検出限界以下に減少)は維持していることを確認した。亜塩素酸水を用いた各種細菌類に対するin vitroでの試験を行った結果、次亜塩素酸ナトリウムと同等の殺菌効果を有しており、芽胞や多剤耐性菌にも殺菌効果を有しており、更にはインフルエンザウイルスやポリオウイルス、ネコカシウイルスにも不活化効果を示した。しかしながら、25℃や40℃という温度帯ではサイクル反応を維持することは出来なかった。
次に、安定性を高めるために、弱酸性域の緩衝材を用いて作製した亜塩素酸水は、40℃で30日以上、このサイクル反応を維持しており、大腸菌に対する殺菌効果も有していた。さらに、共同研究機関において、環境細菌に汚染された無菌マウス飼育用のビニールアイソレーターから分離したPaenibacillus属細菌とBacillus属細菌の殺菌を試みてみた。その結果、次亜塩素酸ナトリウムよりも優れた殺菌効果を示した。さらに、食品に対する殺菌効果の有効性を調べるため、鶏肉に付着させたカンピロバクターに対する殺菌効果を検討した結果、次亜塩素酸ナトリウムよりも優れた効果を有していた。
[結果]
亜塩素酸水は、食品等の有機物と接触しても殺菌成分の減衰が少なく、食品加工工場で使用される原材料や生鮮食料品類の殺菌剤として、非常に有効な薬剤であると考える。また、医療現場、衛生管理が必要な施設などの環境殺菌にも有効な殺菌剤であると考える。

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