有機物に強く、刺激臭が少ない塩素系の殺菌剤が開発されたということをご存知でしょうか?

 コールドチェーン流通システムの導入以前の加工食品は、常温流通の為、合成保存料を添加し、消費者が口にするまでの間、衛生的な品質を維持させており、当時の、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌料の目的は、食品そのものの殺菌処理剤ではなく、補助的に容器包装類を、殺菌処理する為の薬剤であり、この処理目的は衛生的に維持させる事でありました。
 その後、経済成長による労働力の不足から、女性の社会進出が進み、家庭で調理しなくても、食事がとれる惣菜加工食品という市場が生まれ、加工食品の多様化が劇的に変化しながら発展して参りました。
 但し、この惣菜加工食品類には、保存料を添加することが出来ないために、低温流通、低温管理というコールドチェーン流通システムが急速に普及し、市場を維持してきましたが、原料の殺菌処理が不十分な場合には、食中毒につながってしまうケースが多々発生し、加工工場における原材料の殺菌処理は、とても重要な位置を占めるに至り、殺菌剤として主に用いられてきた次亜塩素酸ナトリウムは、強い殺菌力と、高い汎用性があり、試験管を用いた試験では、僅かな濃度で、非常に良く効く、優れた殺菌剤であると言えます。
 しかしながら、食品加工工場内で、この次亜塩素酸ナトリウムを用いて、加工食品類に使用されている各種原材料の殺菌処理を施しましても、十分な殺菌効果は得られず、結果として最終製品の品質を維持する事は出来ず、腐敗や、品質の劣化につながってしまうという事例が多発していることをよく耳に致します。

 そこで、三慶グループとしましては、次亜塩素酸ナトリウムよりも遅効性の殺菌効果が得られやすい殺菌剤の開発に取り組み、高度さらし粉製剤の開発に成功致しました。
 但し、その開発段階において、次亜塩素酸ナトリウムの主たる有効成分である「次亜塩素酸イオン(ClO-)」は反応性が高く、食品(有機物)に触れるだけで分解され、殺菌力が消失してしまうということと、この分解によって塩素酸化物、特有の刺激臭が発生してくるという現象を確認するに至りました。
 尚、高度さらし粉製剤においても、主たる有効成分は「次亜塩素酸イオン(ClO-)」であるにもかかわらず、次亜塩素酸ナトリウムよりも殺菌効果を長く維持することが出来るという事実に着眼し、更に研究を重ねました。その結果、「次亜塩素酸イオン(ClO-)」ほど、即効性の殺菌力はありませんが、遅効性の強い殺菌力を有している「亜塩素酸(HClO2)」を見つけ出し、この「亜塩素酸(HClO2)」を主たる有効成分とする殺菌剤の開発に取り組み、その開発過程において、「亜塩素酸(HClO2)」は、サイクル反応によって安定的に維持され、食品(有機物)に触れても分解されず、塩素特有の刺激臭も発生しないという事実が明らかになりました。この「亜塩素酸(HClO2)」は化審法上、安全性が確認されていない新規化学物質であったため、化審法上の届け出を行ったところ、人の健康にも自然環境にも支障を及ぼすおそれがない安全な化学物質であると判定されました。更には、「亜塩素酸」が有している殺菌力を、加工食品類の原材料の殺菌工程において活用していただくべく、新規食品添加物:殺菌料として申請し、厚生労働省をはじめ、最高機関の研究者の方々によって十分に検討されました結果、このほど、「亜塩素酸水」は、有効な殺菌力を有する食品添加物:殺菌料として指定されました。